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【〜インバウンド誘致〜手ぶら観光施策のメリットと事例】

近年日本では、インバウンド客獲得に向けて、多言語対応やキャッシュレス決済など、さまざまな施策を行っています。

スーツケースなどの大型荷物を持ち運ばずに旅行ができる手ぶら観光もその一つです。 
大型荷物の持ち運びが不要になることで、インバウンド客の満足度向上に繋がります。身軽であることから行動範囲が広がり、地方消費の拡大も期待できるでしょう。

このような理由から、国土交通省は、荷物を預けるカウンターの整備や設置をした事業者に補助金を出すなど、手ぶら観光促進に力を入れています。


手ぶら旅行のメリット

持ち運ぶ荷物がないので移動がスムーズというメリットがある手ぶら観光。他にはどのようなメリットがあるのでしょうか? 

①オーバーツーリズム対策になる

人気の観光地では、観光客が持ち運ぶ大型荷物により、観光客の利便性低下や、地元の方々の生活にも影響が出ていました。

手ぶら対策の一つにコインロッカーがありますが、観光中は手ぶらで移動できるものの、次の目的地に行くときは荷物を持って移動しなければならず、また、預けた場所に戻って荷物を引き取る必要もあります。

手ぶら観光では、駅での一時預かりの他、駅から宿泊施設へ、宿泊施設から空港へと、希望する場所へ配送できるサービスもあります。

荷物が減ることで公共交通機関の混雑緩和が期待できたり、行動範囲が広がり、さまざまな地域に観光客の分散ができたりするなど、オーバーツーリズムへの対策にもなるのです。


②消費拡大が見込める

観光庁は、2023年3月より、購入品の免税手続きをした場所から海外の自宅へ直送する制度を開始しました。

 *観光庁│免税品の海外直送制度について
 ▶https://www.mlit.go.jp/kankocho/tax-free/chokusou.html

持ち帰りが難しいために諦めていた日本の商品も、気にすることなく購入してもらうことができるとして、消費拡大が期待されています。

最近では通販で免税品の購入ができ、空港やホテルなど、希望する場所で受け取れるサービスも登場しました。買い物に行く時間が取れなくても、オンラインで免税品の購入ができるため、限られた日本での滞在時間を有効活用できるメリットもあります。


③DX化により利便性向上 

観光スポットが広範囲に点在する地方エリアでは、一部の観光地のみに人が集まり、その地域の魅力を活かしきれていないという課題がありました。また、コロナ渦により、感染症対策と、観光需要の回復が重要となっています。

このような問題を改善するために導入が進んでいるのが、顔認証システムです。

地方の観光地を繋ぐ公共交通機関やテーマパークの顔認証デジタルチケットを販売し、切符やスマホを取り出すことなく、顔認証で通過できるシステムを導入しました。非接触型のため、感染防止対策にも効果的です。
店舗での買い物にも顔認証決済ができるため、お財布を持たずに観光が楽しめます。

観光庁は、このような顔認証制度の導入により、地方での手ぶら観光を実現する目標を掲げています。

 *令和3年度 観光庁関係 予算決定概要
 ▶https://www.mlit.go.jp/kankocho/siryou/yosan/content/001378867.pdf#page=19




手ぶら観光の課題 

手ぶら観光にはさまざまなメリットがありますが、課題もあります。 

国土交通省が、国際空港のチェックインカウンター付近にて、出国前の訪日外国人を対象に手ぶら観光に関するアンケートを実施したところ、以下のような回答がありました。

  • 外国語対応が不十分 
  • トラブル時の対応に関する情報が不足している 
  • 受付カウンターが分かりにくい
  • 配送費用が割高である 

   *国土交通省│手ぶら観光の促進に関するニーズ調査結果及び今後の取り組みについて 
   ▶https://www.mlit.go.jp/common/001039810.pdf


それでも手ぶら観光をしたいと考える外国人が6〜7割(有効回答数約1,600件)という結果となっていることから、今後も高いニーズがあることがうかがえます。 

たくさんのインバウンド客に利用してもらえるよう、まずは、外国語対応や補償内容のわかりやすさなど、不安を解消する環境を整備することが大切といえるでしょう。

 

事例

それでは、手ぶら観光促進の事例をいくつかご紹介します。

◆MUIC Kansai
 https://www.muic-kansai.jp/news/20231101.html

インバウンド客の増加で生じる、市バスの混雑を緩和させるために、京都市内が試験的に行った取り組みです。観光客が集中する秋に京都市内のホテルから、関西国際空港までの手荷物、先着100個を無料で当日配送するというもの。現在、無料キャンペーンは終了していますが、送料(500〜3,850円)を支払うことで同様のサービスを利用できます。


◆Tax Free Online .jp 
 https://www.taxfreeonline.jp/home

通販で日本の免税品を購入し、日本国内で受け取れるというサービスです。お酒などの食品から、化粧品、家電まで豊富な免税品が揃い、空港や提携ホテルで受け取れます。ゆっくり買い物に行く時間がない、もっといろいろな商品が見たいというインバウンド客のニーズを取り込んだ事例です。


◆手ぶらくん
 https://www.teburakun.com/

荷物を預ける対面カウンターでは、対応する従業員とインバウンド客双方に言語の不安を感じる事がありました。この手ぶらくんは、事前に外国語でオンライン申し込みができるので、窓口での負担が軽減されます。価格や補償内容についてもわかりやすく明記されているので、トラブルが起きた際にも安心のシステムとなっています。


◆Panasonic CONNECT
 https://connect.panasonic.com/jp-ja/case-studies/kankocho

観光スポットが点在する富士五湖周辺エリアを効率的に周遊してもらおうと導入されたのが、顔認証と周遊eチケットを融合した「手ぶら観光サービス」。各観光施設とそこまでを繋ぐ交通機関を、顔認証システムで利用できます。紙チケットやスマホも不要で、エリア内をスムーズに移動できる他、非接触型による感染症対策にも1役かっています。



まとめ 

手ぶらで観光を推進することで、インバウンド客の利便性が高まり、日本滞在における満足度が向上します。また、オーバーツーリズムという観光公害に巻き込まれていた地元の方の生活も改善させることができるでしょう。

特に、交通機関が発達し、荷物の紛失の心配が少ない日本においては、手ぶらで快適に移動できることこそが、更なるインバウンド客を呼び込むための強みになります。

手ぶら旅行に付加価値をつけ、顔認証などのDX化により地方の観光エリアも周遊できる仕組みを作れば、地方創生効果も期待できます。 

まずは、インバウンド客が不安なく気軽に利用できるように周知をしたり、利用しやすい環境を整えていったりすることが重要といえるでしょう。 

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